私のポルタフォリオ

某音楽系大学を卒業後、府立支援学校教諭に。「継続は力なり」の精神で声楽も地道に続けております。時々奥さんが記事を書くこともあります。

知られざる(?!)名バス歌手カルロス・ショーソン

世の中には自分の知らないすごい人がたくさんいます。

先日、歌仲間イチオシのバス歌手カルロス・ショーソンYouTube動画を観て、その圧倒的な演奏にすっかりファンになってしまいました!

 

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2008年、スぺイン最高の男声オペラ歌手として表彰され、その授賞式での演奏です。

フィナーレで勢いのあまりマイクがとんで急に音が小さくなってしまっていますが、テンションの高さは映像越しでも十分伝わってきます。

 

演奏されている曲はロッシーニ作曲のオペラ『チェネレントラ』より、ドン・マニフィコのアリアです。

(※『チェネレントラ』はディズニーアニメでよく知られている童話シンデレラを基にしています。)

継父ドン・マニフィコ(童話では継母)がシンデレラの姉二人に対して何とかして王子と結婚するよう念押ししながら段々と「自分が王妃の父になったら…」の妄想に夢中になっていく場面で、ショーソンはそれをたった椅子二つだけで見事に歌い表現しています。

 

その表現力もさることながら、イタリアの伝統的な発声に則った歌唱力も魅力です。

音色が均一で、音一つひとつにキレがあってとても心地よい歌声です。

また、アクート(高い音)に向かう集中力・決断力が素晴らしい!

それがよく分かる演奏がこちら。

 

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オペラ『セヴィリアの理髪師』バルトロのアリアです。

何度も出てくる一点E♭へ向かう集中力と決断力は、他の追随を許しません!

音色がいつも一定で、音のキレは抜群、響きが集まっているから言葉も非常に明快に聞こえてくる。

こんな三拍子そろったバス歌手は滅多にいないのではないかと思います。

最後にこちらの動画も。

 

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曲はオペラ『ドン・パスクアーレ』二重唱、リハーサルの様子です。

後ろの合唱団員たちがそのエネルギッシュな演奏に聴き入り、微笑んでるのも印象的です。

 

 

ネットで調べてみたら、アーノンクール指揮ダ・ポンテ3部作(チューリヒ歌劇場・2000年収録)のうち『フィガロの結婚フィガロ役と『コシ・ファン・トゥッテ』アルフォンソ役に抜擢されていました。

 

全然知られざるではありませんね、世界的な歌手でした(笑)

 

1950年にスペインのサラコザに生まれ、ミシガン大学で音楽の修士号を取得した後、サンディエゴで『ドン・ジョヴァンニ』マゼット役でデビューしました。

オペラではモーツァルトドニゼッティオッフェンバックロッシーニを専門にし、サルスエラでも活躍しています。

御年70歳ですが、今も現役バリバリで歌っておられるようです。

今後の更なるご活躍に注目です!