事故によって首から上しか動かない障害者となった富豪と、ひょんなことから介護者として働くことになった貧困層の黒人との絆を描いた、実話を基にした物語です。
黒人ドリスの富豪フィリップへの歯に衣着せぬ言動が、二人が信頼関係を築いていくカギとなりました。
フィリップは自分に対する周りの人達の同情、腫れ物に触るような態度に嫌気がさしていました。
だからこそ、時には障害者である以前に一人の人間同士として接してくるドリスに惹かれていったのだと思います。
また、黒人(実話ではマグレブ人)へのあからさまな人種差別も描かれています。
警官の対応、白人と黒人との教養差、黒人の就職難、人種による職業種分けなどなど。
それらをあからさまに描くことでタブーに目を向け、差別は今なお色濃く存在しているという問題提起をしているように感じました。
(2011年のフランス映画)