私のポルタフォリオ

某音楽系大学を卒業後、府立支援学校教諭に。「継続は力なり」の精神で声楽も地道に続けております。時々奥さんが記事を書くこともあります。

息子が大きくなったら伝えたいこと

「正解・不正解の答えよりも、自分がどう思ってるか、なぜそう感じてるのか、という自分への問いを大切にしてほしい」
 
息子が成長して言葉で色んなやり取りができるようになったら伝えたいと思うことです。
 
今回ご紹介する『世界のエリートが学んできた自分で考える力の授業』では、自分の頭で考えることの大切さや具体的な思考プロセスがまとめられていました。
 
著者は大学での英語教育に携わる中で、学生たちが欧米人のように英語を話せない原因は英語力それ自体ではなく、「私にはどうしても伝えたいことがあるんだ!」という熱量の低さにあるのではないかと考えました。
そして、日本人の発言に意見が少な過ぎることに気がつき、意見を持つとはどういうことかというところから教えるようになったそうです。
 
本書では自分の頭で考えるクリティカル・シンキングの方法を系統立てて解説されています。
かなり細かく分けた手順を踏むので、こんな手間かけてられるか!と思うこともありました。
ですが、最後まで読み通してみて、今は状況に合わせて取り入れられるところは取り入れたいし、普段から自分の頭で考えるクセをつけることが大切だというご意見に納得いたしました。
 
 
最も重要なのは、物事に対して自分が理解できていること理解できていないことを紙に書き出して視覚化するという最初のプロセスです。
ここをはっきりさせないがため、考える取っ掛かりを掴めなかったり、何となく分かったつもりになってしまいます。
また、理解していることを確認することで安心しますし、前進する意欲にも繋がると個人的に思います。
 
理解できているかどうかを確かめる術としては、
・5歳児に説明するつもりで話してみる
・カタカナ用語を掘り下げる
・英訳してみる
・5W1Hでツッコミを入れる
などの方法が紹介されています。
私は既に実践しているものもありましたし、どれも大変有効です。
 
 
次に大切なのは、事実と意見(解釈)を区別することです。
人間誰しも固定観念や常識に囚われがちで、客観的な事実でないことを前提にして、意見を構築してしまいます。
事実と事実らしきものを見極めなければなりません。
また、他人の意見に賛同して、さも自分の意見であるかのように振る舞うことにも気をつけましょう。
 
 
上記の2点に注意した上で自身の考えを深めるには、さまざまな視点で見直すことが効果的です。
例えば、否定の立場を取ったもう一人の自分と問答を繰り返したり、違う立場や価値観の人の考えを想定してみるなどの方法が紹介されています。
視点や立場を変えることで、それぞれの言い分に気づき、それに対する答えを考えることで、自身の意見が補完され、深まっていきます。
 
 
息子が学校に行くようになったら、親として成績や進学のことを心配していまいそうな気がします。
ですが、学校で習ったことでは解決できないことが世の中にたくさんあるのは社会に出た大人なら誰しも実感してますよね。
「自分はどう思うのか」「なぜそう感じるのか」
自分が何者であるのかを自分で考えられることの方が、テストで良い点を取ることよりももっともっと大切なんだということを息子に伝えていきたい、とこの本を読んで思いました。
そのためにはまずは私自身がクリティカル・シンキングできるようにならねば・・・!