私のポルタフォリオ

某音楽系大学を卒業後、府立支援学校教諭に。「継続は力なり」の精神で声楽も地道に続けております。時々奥さんが記事を書くこともあります。

『約束のネバーランド』14巻レビュー

ミネルヴァを名乗る人物は、なんと!ラムダから脱獄したノーマンでした!!!

同じくラムダから脱獄したヴィンセント、ザボ、バーバラ、シスロとともに各地の農園を次々と襲い、食用児たちを解放していました。

 

 

ノーマンの口から鬼の正体が語られます。

鬼は元々、細菌のような生物でしたが、「食べることで他の生物の遺伝子を取り入れ、その形質を受け継ぐ能力」によって、さまざまな形の鬼へと進化していきました。

鬼は人を食べることで人の知性をも受け継ぐことができ、結果、レウウィス達のような知能の高い鬼たちが誕生することになりました。

ただ、速すぎる進化の代償として、鬼は食べ続けなければその形質を保つことができません。

つまり、人型の鬼は人間を食べ続けないと生きることができないのです。

 

ノーマンは鬼達が人間を「食べ続けなければならない」という性質を逆手に取ります。

すべての農園を破壊し、鬼が人間を食べられない状態に追い込むことですべての鬼を絶滅させるという作戦を決行しようとしているのです。

 

エマの仲間たちはその話を聞いて、鬼のいない、食用児のいない世界ができるなんて最高だ!と喜びますが、エマだけは浮かない顔。

エマは鬼が人間を食べるのは絶対嫌だけれど、だからといって全滅させるのも違う、と思っています。

 

「鬼達にも家族もいて友達もいる。鬼だって人間たちと同じように生きるためにただ食べているだけなのに。」

 

散々苦しい思いをしているのに、なお相手側の立場で考えることができるエマは素晴らしいですね!

こういう器の人物が大国のリーダーになったら、世界はもっと平和になるでしょう。

 

 

巻末に「作戦の駒の一つ」と言って、ノーマンが鬼達に接触するシーンが出てきます。

ネバーランド崩壊のため、利害の一致する鬼達と共闘することになるのでしょうか。

 

エマ達と一緒に旅してきた私からすると、ノーマンと再会できたことは嬉しいはずなのですが、彼が纏っている冷酷な雰囲気が気になってしまいます。

 

そういえば、実生活でも昔、似たような感覚になったことがありました。

旧友と久々に会ったらバリバリのビジネスマンになっていて、話題や興味あることが全く変わっていて、自分とのあまりの価値観のズレに寂しい思いがしました。

それはきっと自分の価値観も変わっているからだと思うし、変化していない方が不自然なことだろうし。仕方ないことなんでしょうね。

 

ノーマンもすべての食用児達を救うために懸命に導き出した"答え"なのですから、誰にも否定はできません。

エマとノーマンの思いの溝をどう埋めていくのかも今後の注目ですね。

 

 

最後に一つだけ。

 

勇気をもって。しょーもないことを言わせてください。

 

クリスのクスリって絶対シャレですよね・・・?